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大手上場会社のグループに入るというオプションと5つのメリット

Posted by Masayuki Hayashi

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昨年コムニコはニフティグループに入った訳ですが、Facebook上ではおめでとうコメントを多くの方からいただきました。一方で、経営者の友人知人の中には、「これから大変だね」といったご心配の声を掛けられる事も少なからずあったのも事実です。(そう言えば「林さんこれからどうするの?」と聞かれた事も。いやいや引き続き頑張りますから)

僕なりにかなりの熟慮をした決断であった訳ですが、今のところこの決断は成功だったと思います。少なくとも検討の過程の僕の想定以上の効果が出ていると思います。

3ヶ月程度ではありますが、そんな経験からベンチャーのステップアップのプロセスに大きな企業のグループ化というのはひとつのオプションとしてもっと一般化しても良いのではないかとさえ思います。ただこれは経営者の会社に対する考え方やキャリアによって向き不向きもあります。

という訳で、ベンチャーが他の企業の傘下に入るとはどういうことなのか、僕の考えをまとめたいと思います。ただ飽くまで「会社のステップアップのオプションとして」という前提です。一般的にバイアウトと呼ばれるような経営者のEXITとしてとか、会社の清算のためといった目的は、経験で語れないので除きます。

そもそもベンチャーって何でしょうか?定義はいろいろあるのかも知れませんが、株主と経営者が事業の拡大や新しい市場創出を志向している少人数の会社といった感じでしょうか。ベンチャーの経営者はその為に様々なオプションを検討し、決断を下す訳です。ベンチャーにとって他の企業グループに入ることは、事業拡大や新しい市場創出を目指す上での手段という事になります。

言うまでも無い事ですが、ベンチャーには足りないものが沢山あります。その足りないものをどう優先順位をつけて埋めていくかを判断し、実行する事はベンチャー経営者の大事な仕事です。足りないものは、会社の成長や環境によって、増えたり減ったりしますが、無くなる事はありません。そして事前に想定できるものばかりではありません。事業計画で想定しておく事は当然必要ですが、その通りに行く事はまずない。

ここで自分の経験をお話しすると、コムニコは設立当初は苦労したものの、なんとか2期目から黒字化し、キャッシュフローも安定しました。その間に世の中も変化し、コムニコの事業領域も拡大しました。一見順調だったのですが、僕は昨年の始め頃から「今このタイミングで大きくステップアップしなければいけない」と考え始めていました。(なぜそう考えたかはまたの機会に)

大きくステップアップするためには、コムニコにはやっぱりいろんなものが足りませんでした。特に即戦力となる新たな人材の確保と自社で開発能力を持つ事、そして既存サービスのクオリティーアップが急務でした。

そんな状況のベンチャーに考えられるオプションは、採用活動に精を出すとか、必要な人材や機能をもった企業を買収するとか、理論上はいろいろ考えられるのですが、いくら黒字化したとはいえ、会社の体力は限られているし、何よりも時間がかかる上に不確実性が高い。

そんなタイミングで来たニフティからのラブコール。しかもコムニコの現状と将来性をかなり評価していただいてのオファーでした。またコムニコの社風を尊重していただけていました。

オファーをいただいて後、何ヶ月かのやりとりや試行錯誤はありましたが、最終的には合意にたどり着きました。

今回の資本提携により、コムニコが増強した要素は大きく以下の5点です。

  1. 技術力(自社内でのソリューション開発能力)
    ご存知のように、コムニコはテクノロジーから出発している会社ではありません。しかし今後大きく市場を拡大するためには技術力は必ず必要になると考えていました。ただその領域の人材は今厳しい獲得競争になっています。常套手段ではどうしてもコムニコのようなベンチャーは不利。今回の提携により、ニフティの豊富な技術者陣の力をコムニコのプロダクト開発に投入出来る体制が整いました。
  2. コミュニティ運営ノウハウ・スキルのレベルアップ
    ニフティは25年前にニフティサーブというパソコン通信事業で成長した会社です。パソコン通信は日本のソーシャルメディアの走りと言っていいのではないかと思います。つまりコミュニティの運営、ネットユーザーとのコミュニケーションに携わってきた経験の年数は圧倒的です。
    そのニフティサーブに関わっていた経験者達が現役で活躍し、その文化が脈々と継承されているニフティ。その経験とコムニコのノウハウの融合をはかれば、一気にサービスのクオリティーも上がっていくはずです。
    今はまだ共同事業や人材の交流を通じて徐々に融合をはかっている段階です。しかし既に良い兆候は見えてきました。例えば@niftyのFacebookページについてニフティ・コムニコ両者で様々な実験的な試みをしていますが、その議論の中でコムニコが学ぶ事も多く、この経験はかならずクライアントワークに生きるはずです。
  3. グループネットワークを使った提携や共同商品開発
    ニフティのグループ会社や取引先などとの提携や共同商品開発などが非常に提案しやすい環境を手にする事が出来ました。既にいくつかのプロジェクトが進んでいますので、近いうちにの一部を発表出来ると思います。
  4. 信頼性の高いインフラ
    例えばニフティの提供するニフティクラウドは、大手ソーシャルゲームプロバイダーをはじめとして、利用社数を伸ばしている非常に信頼性の高いクラウドサーバーです。キャンペーンサイトやFacebookページのカスタムタブやアプリ向けにより信頼性の高いサーバーを提案出来るようになりました。当然自社で開発中のプロダクトもニフティクラウドを活用していきます。
    サーバーだけでなく、大手企業では当たり前だけど、ベンチャー企業では後回しになりがちな利用インフラの信頼性やセキュリティーなど、確実に充実してきました。
  5. 組織の活性化
    こちらからの要望で、親会社から6名の精鋭を出向させてもらっています。プロパー、出向者ともに、最初は文化の違いに相当戸惑ったでしょうが、良い刺激となっているようで、どちらも思った以上の高いモチベーションで働いています。

結論、当初狙っていた、事業のアクセルを一気に踏むという目的は今のところ順調です。

事業の拡大は、経済状況などご時世とその事業の属する市場でのポジションにより、その手段は異なると思います。コムニコは今アクセルを踏むタイミングだと考えていて、その有力な選択肢が今回のニフティグループ入りでした。これは決してEXITではなく、コムニコを成長させる最高のオプションで、勝負はこれからだと思っています。

これまでベンチャーの成功ストーリーは、IPOから事業をスケールさせていくというのが一般的だったかもしれません。ただ時代が時代。他のオプションも検討されてしかるべきだと思います。今回のコムニコの決断が、他のベンチャーに参考にしてもらえるような、そんなストーリーを描きたいと思います。

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