<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=165725567198380&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

独立!の前に考えた方が良い事

Posted by Masayuki Hayashi

僕自身、会社経営歴7年弱に過ぎないのですが、時々勤めている企業を辞めて独立したいという人や既に独立している人から相談を受ける事があります。

相談の内容は、いろいろです。そういう人たちの話を聞いていてつくづく感じるのは、独立・起業前にビジョンが固めないと、後々厳しいという現実です。

ここで言うビジョンはたいそうなものではなく、自分がどういう働き方をしていきたいかというイメージの事です。

ひとつ例をあげます。かなり乱暴かつデフォルメしてますが、結構よくある話だと思います。

独立でよくあるパターンが、ある程度大きな規模の会社に勤めていて、お客さんからも指名される優秀な人の独立です。独立しても、そのお客さんからの仕事をもらえる可能性が高く、リスクが少ない。そんなスタープレーヤーが上司と衝突したなどのきっかけで、独立を考え始める。

大きな組織に勤めるのと、独立して働くのでは、様々な根本的な違いがいくつもありますが、そのひとつは、自分が稼がない限り給料が支払われないという事です。この事実が心理に与える影響は大きい。

会社員時代からのお客さんはいるかもしれません。そこから本当に間違いなく、今後も自分がきちんと生活出来るだけの売上をあげ続ける事が出来るでしょうか?担当者が転勤や転職するリスクはないでしょうか?そうなった時にも確実に自分のところに注文が来るでしょうか?

会社員時代は、自分が稼がなくても誰かが稼いでくれます。そして限度はあるでしょうが、会社は決まった給料を振り込んでくれます。独立するとそれがなくなる。その事を実感するのは他ならぬ本人です。心理的にもっと立場を安定させたくなります。もっといろんなお客さんが欲しい。もっと単価をあげたい。つまり、もっとビジネス規模を拡大したい。最初は別にビジネスを大きくしなくても、好きな事して食っていければいいやと考えていても、会社という後ろ盾がない不安感が逆にビジネスを拡大させようという方向に動く事は少なくありません。

結果、安定を得る為に必死で働き、会社員時代よりもずっと忙しくなります。それでも自分一人でこなせる仕事量は限られています。またいくら働いても求めている安定は感じる事は出来ません。孤独感も手伝って、仕事を増やす為にと仲間が欲しくなり、人を採用します。ここで、個人事業が会社組織に変わります。

人を採用した瞬間にまた違う重圧が生まれます。人を採用すると、その人の生活を背負わなくてはいけません。いくら個人主義を貫いても、やっぱり誘った人間の責任は普通の感覚なら感じるはずです。また採用した人がとてつもなく優秀なら良いですが、大抵の場合はそこまで優秀な人は採用出来ません。つまり、ポテンシャルを見極めて採用し、育てなくてはいけない。

そもそも、このパターンの独立は、属人性の高いビジネスであるケースがほとんどです。要は優秀な人材がいないと成り立たない可能性の高いビジネスです。だから、どうしても会社は教育機関の側面を持たざるを得ないのです。つまり経営者は教育者でなくてはいけません。

さて、今お話ししている例では、彼若しくは彼女は最初から教育者になりたいと考えていたのでしょうか?僕の知る限り、ほとんどのケースは違います。むしろ、現場が大好きで一匹狼的な性格を持つ人の方が多いのではないでしょうか。だから多くの人が、「こんなはずじゃなかった」と悩むのです。しかも教育に失敗してしまうと、間違いなく事業を圧迫します。そうなったら目も当てられません。

さて話はまだ続きます。悩みつつも、一生懸命仕事をして、仕事の規模も大きくなったとします。ある程度ビジネスモデルも固まってきて、さらに数名の社員がいるかも知れません。業界での認知度もあがっていることでしょう。

業界にもよりますが、そうなるとベンチャーキャピタル(以下VC)から営業電話がかかってくるかも知れません。「御社の事業の将来性に魅力を感じ、ぜひ出資を検討させてもらいたい」とか言ってきます。不況とはいわれていても、お金はあるところにはあります。むしろお金を使いたくて仕方ない人たちが世の中にはいるのです。

自分の仕事が認められたような感情もあり、最初は誰だって少しは嬉しくなります。また出資を受けるという事は、基本的に自分の会社の銀行口座にお金が振り込まれるという事です。求めていた安定に近づく気もしてきます。

言うまでもないですが、VCはリターンを求めて出資をします。株主として、役員として経営にも口出しします。当然ですね。外部に株主を持つということはそういう事です。ここで完全に資本主義社会のど真ん中で活動する事が求められる事になります。つまり企業価値を高める為に売り上げをあげ、利益を高める義務が生まれます。
ここで出資を受けると、経営者はいよいよ文字通り経営を仕事として活動しなくてはならなくなります。ケースバイケースですが、基本現場の仕事で忙しく働いていてはいけません。それよりもやるべき事、考えるべき事が山積みになります。それが出来ないと、最悪(自分が立ち上げた会社なのに)解雇される事も起こりえます。

さて、この例では彼若しくは彼女は、そんな環境に身を置く事を求めていたでしょうか。おそらく違いますね。でも大枠こういうパターンだったんだろうなと思われるいわゆるベンチャー企業は実際に結構存在します。それで嫌になって仕事を投げ出してしまう経営者も実際に目にした事があります。本人はそれでも生活出来るなら良いかもしれませんが、社員や株主をはじめ関係者にとっては迷惑この上ない話です。

現場が大好きな大企業で働くスタープレーヤーが教育者になる事を求められたり、経営者になる事を求められたり、そのどれもが大変な仕事なわけですから、それを求めていないのに、何となくそうなるのは本当に不幸です。しかもそうなった責任は本人にありますし、後悔してもそれを投げ出す事はやっぱり許されない事だと思います。

もちろん、会社で働いていても、出世をすれば、求められる役割は変化していきます。独立した人に限った話ではないでしょう。ただ会社にいれば、役職が上がっても、(上に行けないかも知れませんが)仕事のやり方を変えない働き方も可能な場合も多いですし、いざとなれば降格という道もあります。会社としては期待はずれかもしれませんが、それほど大きな迷惑を誰かにかける訳でもない。独立するとそうはいきません。

だからこそ、いざ独立した後、自分がどう行きていくのか、よくよく考えてみる事をお勧めしています。

新規CTA