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示唆に満ちているが危うい書「ザッポスの奇跡」を読みました

Posted by Masayuki Hayashi

効率重視のアメリカのネット企業の経営モデルを真っ向から否定しているとか、これからの企業はこうあるべきだとか、やたらと良い評判を聞くザッポス。

非常に遅ればせながら、「ザッポスの奇跡」を読了。

ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
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もう、噂にたがわず素敵な会社であり、とても刺激を受ける本ではありました。

徹底した権限移譲

真っ先にアウトソースされがちな、コンタクトセンターを中核組織を位置づけ、そのメンバーひとりひとりに顧客に"Wow!"を与えるための権限を徹底的に与えている。

企業文化へのこだわり

自社のコアバリューの策定から、社員一人一人の声を聞き、その実践を徹底。

リーダーシップ

個を活かす組織を支える、トニー・シェイの飾らないリーダーシップ。

社員であろうが、経営者であろうが、これを否定する人はほとんどいないと思う。会社のバリューは絶対に利益の追求だけではないというか、利益を追求するためにはやはり中の人間と顧客が幸せでなくてはならないし、そのためには利益以外のテーマ(ザッポスでいうところの10のコアバリュー)が必要だし、それを支えるリーダーシップが必要だ。全く異論はない。

タイトルで「危うい」と言ったのは、ザッポスという会社についてではなく、この本。

あまりに素敵過ぎて、表面的にこの本に書いてあることをなぞろうとしたくなる人が出てきそう。そこが危うい。ここに書いてあることは、そんなに簡単なことではない。簡単なら、アマゾンはザッポスを買わずにただマネするだろう。

ザッポスだって、ここまで企業の個性を固めるのに相当苦労しているはず。この本にはそこにあまり触れられていない。いやこの本は良い本だと思うし、そこまで触れる必要はないと思う。でも、危うい。

第3章に、トニーシェイがハーバード卒業後始めて起業した会社の話がある。会社は成長したが、成長につれて、自分自身が設立した会社が楽しくなくなったという。その苦い経験が、今のザッポスを作ったのだ。それが彼にとってどれだけ苦い経験だったかは、本書では分からないが、読者は想像しなくてはいけない。

また、コアバリューを定める際に、社員の意見を根気よく聞いて策定したくだりは、あっさりと書かれているが、経営者やマネージャーの経験がある人なら、その難しさを良く理解できるはず。皆の意見を聞いて、皆の意見が同じなわけもない。半年かかったというが、半年間その作業を(通常の業務に加えて)続けるのには、そうとうな根気が必要だし、様々な葛藤もあったはず。その過程で「これは俺の求める会社じゃない」と去った人もいるかもしれない。そしてその人は残った誰かにとってとても大切な人だったかもしれない。これも読者は想像しなくてはいけない。

仮にボクがどこかの会社に勤めていて、これまで全然違う企業方針だった経営者が急に「よし!これからはザッポスを目指すぞ!」と言ったら、多分厭だ。

そういう意味で、一番読むべきなのは、最後の第7章だと思う。こういう会社を作るために経営者やマネージャーにどういう資質が求められるのかが書かれている。

ボクは自分の会社を経営するにあたって、ザッポスは参考にすべき事満載だと本当に思う。でもまだその前にやるべきことが山積みだ。それまでにボク自身がレベルアップしていかないとなと思う。

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